No.15_梅ほつほつこゑ遠きところより_深川正一郎


ワンド2(逆)、ソードキング(逆)、隠者 


梅というと昔住んでいた家を思い出します。

玄関の前に一本の大きな枝垂れ梅があって

毎年2月の比較的早い時期に花を咲かせ、

通行人が足を止めるくらいには見事でした。


 今回、ぱっと目についたカードが隠者、

3枚の中でこのカードだけが大アルカナです。

隠者は内省的なカードです。

自分の内側に眼差しを向ける、外界から遮断されるという感じ。

他の2枚は小アルカナでどちらも逆位置で出てきました。

ワンドの2は立ち止まるという様な意味、

ソードのキングは大きな決断とか大きな知性を表します。


 さて、カードから読み取るに、ちょっと足踏みしている状態です。

見通しが甘く、決断ができない状態。

あるいは無慈悲というか人情味に欠ける判断を採用した感じがします。

この状態がこの句の中に出てくる人の状態なのか、

それとも世の中の状態のことなのかは判断できないのだけど、

ワンドの2とソードのキングを見てそんな感じを受けました。

そして、隠者はそんな雰囲気中ので咲く梅を表していると思います。 


 隠者のカードはとても静かです。

マントを着た老猫が杖とランプを持って立っている。

背景から想像するに人里離れた山奥のようなそんな場所で1人っきり。

孤独で寂しい感じもあるんですが、ランプの中にある星は大きくて輝きも強め。

それに老猫の目の奥がキラリとしている様に見えるのです。

この俳句の中の梅は遠くの声が聞こえるくらい静かな場所にあって、

まだ「ほつほつ」としか咲いていないけれど、これから満開になってゆく。

そのための力を内側に秘めているわけですが、

それが隠者の内側にある静かな光と通じている。

そんな感じかなと思います。 

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