No.2_クッキーと林檎が好きでデザイナー_千原草之

塔(逆)・ソードのペイジ・ソードのナイト(逆)

今回出たカードの中で一番に注目するのは塔。

このカード、全てのタロットカードの中でも一位二位を争う不吉なカードとして恐れられています。絵柄を見ていただくと分かるとおり、頑丈そうな石の建物に雷が落ちて猫達が真っ逆さまに投げ出されていますよね。写真だとちょっと見にくいかもしれませんが猫も「マジでー!!!」という表情で落っこちています。つまりこのカードから読み取れることは「何かびっくりするようなことが突然起きた」ということです。

次に他の2枚のカードを見てみます。こちらはどちらもソードです。ソードが管轄するものは、知性とか客観性、他に情報なんかもソードの範囲なので、ソードの2枚は「デザイナー」を指しているのかなと思います。ここで言うデザイナーが何をデザインしている人なのかは書かれていないのだけど、ソードのナイトは動きがとっても速いので、常に新しさを求められているような分野かな。例えば、ファッションとかグラフィックとか。同じデザイナーでも都市、建築、造園みたいに数十年とか数百年単位で考えるようなものではないように思います。

ここまで順番にカードを読んできて、クッキーと林檎の手がかりは未だ見えず。そして、塔が何を表しているのか?と言うことなんですが、私はこの塔は、大きな時代の変化のことなのではないかなと思います。例えば今年のコロナウィルス。まさか疫病が流行って、通勤通学が制限されることになるとは。会社に行かなければならないことはあっても、行ってはいけないことになるなんて誰が想像できたでしょうか?

この句が作られた昭和30年にも、当時の人がびっくりするような大きな変化があったのではないかと思うのです。ためしにちょっと検索してみると昭和30年は冷蔵庫、洗濯機、テレビが三種の神器と呼ばれて、日本初のジェットコースター、トランジスタラジオの発売、TBSテレビ開局、羽田空港の開館などでした。この句が作られた時って、情報やスピードが一気に加速していった頃みたいです。

さて、この俳句の中のデザイナーさん、ちょっと前までは「デザイナー」なんていう言葉は日本になくて「図案家」とか呼ばれていたのではないでしょうか。でも、最近になって名刺の肩書きを「デザイナー」と表記することになった。情報を集め調べ、新しいものを提案することもデザイナーの仕事。

ソードのペイジは新しいアイデアを暗示している他、未熟なとか若いという意味があるので、クッキーの軽い感じがしなくもない。そして、林檎は歩きながら食べているのではないでしょうか。そう思うとソードのナイトのスピードに呼応してるのかなとも。客先でクッキー出されて長引いて、ランチの時間は取れなくなって移動しながら林檎を齧る。やや強引だけど、クッキー、林檎、デザイナーという言葉にこの時代の快活さが現れているような気がします。

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