No.37_秋の風互いに人を怖れけり_永田青嵐
ソードのペイジ、ペンタクルのキング、ペンタクルの10
あまりにも知らない俳人が多いので
知っているor知らないをいちいち言うのをやめました。
引用元のハイクノミカタで阪西敦子さんが
「秋・大歓迎」の人々の多さを嘆いていらっしゃいました。
たぶん私は秋歓迎派に入ると思いますが、
秋が好きで好きでたまらないと言うよりは
夏が嫌いすぎると言うのがより正確な表現となります。
とにかく暑くて湿気ている状態が嫌いなのです。
秋と言っても八月や九月は全然好きじゃなくて
好きと言える秋は十月だけです。
一年の中で一番好きなのは五月。
夏だけど湿気てないし日も長いし最高です。
今回、ソードのペイジが出てきまして、
「おっ、風」と思いました。
タロットカードの小アルカナには4つの要素があります。
ワンド、カップ、ソード、ペンタクルです。
この4つは西洋占星術の4つの要素と呼応していまして
ワンド=火、カップ=水、ソード=風、ペンタクル=土。
つまり秋の風の句に風のカードが出てきたわけです。
こういう一致があるとつい「当たる」と思っちゃいます。
今回は全部小アルカナで、それぞれの意味は、
ソードのペイジ、新しい風。
ペンタクルのキング、確固たる地位。
ペンタクルの10、幸福の維持。
という感じです。
ソードのペイジは秋の風そのもののことだと思います。
ペイジですから新しい風。
そしてそんなに強くない風だと思います。
さて、残りの2枚はどちらもペンタクルです。
ペンタクルの管轄は物質的なことです。
現実という言葉に置き換えてもいいかもしれません。
そしてどちらのカードにも安定と結果のイメージがあります。
10は数字のカードの中で一番最後の数のカードですし
キングは小アルカナの最後のカードとなっているからです。
ハイクノミカタによると、この句は「震災五句」との
前書きがあったとのことで関東大震災の俳句のことのよう。
それなのに物質的な安定を表すペンタクルのキングや10出てきて
俳句の背景と出てきたカードに乖離があるように思います。
そして「互いに人を怖れけり」ってなんだんだろうとも。
一つ考えられるのは、一旦の結果が出た後は
また0からスタートするというサイクルです。
タロットや西洋占星術の世界では一つのターンが終わると
また0からスタートすると考えられています。
ただし、それは螺旋階段のように繋がっていますので
同じテーマを別の角度(一段高い地点)から
再挑戦することになるというように考えます。
つまりこの時点の世の中は物質的な面でのピークを迎えていた。
占いの考え方を取り入れるならピークの次はゼロですから、
この2枚のペンタクルはゼロ地点に戻る予感を含むと読んで、
それが前書きにある「震災」を暗示していると解釈しました。
そして10のカードの絵柄で手前にいる猫ちゃん。
なんとなく物思いに耽る感じでがします。
安定した現状を維持していく上では
「退屈」や「責任」というものも生まれちゃうわけでして、
そういった中にも「怖れ」はあるだろうな。
また、新しい風の中には知らないことに対する
「怖れ」も含まれているのだろうなとも。
しかし、ソードのペイジはやはり希望と読みたい私。
「互いに人を怖れけり」
であっても全ての人に新しい風は吹きますよと読みたい。
この秋の風は爽やかで軽くて優しい風です。
個人的な趣味で最後はポジティブに締めておきます。
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