No.43_車椅子もとより淋し十三夜_成瀬正俊

カップのクイーン、ソードの10、ペンタクルの3


これを書いている日、北海道では雪が降ったそうです。

確かに急に寒いし雨も降っている。

つい最近、坐骨神経痛の診断を受けた私には辛い雨。

腰に紙懐炉を貼り付けています。

ちなみに紙懐炉っていう言葉もつい最近覚えまして

使ってみたかったので敢えての紙懐炉表記です。


さて、カードを見ていきます。

一枚目、カップのクイーン。

これはコートカードで愛情を与えるとか受けとめるとか。

または慈悲深い女性。

二枚目、ソードの10。

小アルカナで考え抜くとか痛みとか。

三枚目、ペンタクルの3。

これも小アルカナで学びとか具体的に進むとかです。


まず最初にカップのクイーンは十三夜のことかなと思いました。

カップは心とか感情とかそういうものの管轄です。

カップの中の水は入れ物によって形を変えて不安定。

静かだったり波打ったり流れたりするもの。

占いの世界では月も同じように心を管轄していると考えられています。

月は満ち欠けがあって形が変わりますので、

不安定で揺れ動くものという扱いになっているのです。


で、今回の俳句の一番の難問「車椅子は淋しい」件。

本家ハイクノミカタでも触れられていました。

実際の車椅子が淋しいかどうかは個人の感じ方に任せるとして

ソードの10から推察するに「身動きの取れなさ」かなと。

もちろん車椅子は座ったまま移動できる乗り物なわけですから

身動きが取れないと言ってしまうのは少し乱暴だと思います。


でも、エレベーターがない場所での階段の使いにくさ

狭い道や段差での運転のしにくさを想像するとき

少なくとも現時点の東京で使う場合においては、

自由さを象徴するような乗り物とは違うのかなと思うのです。

そういう点がソードの10が言うところの「痛み」なのかなって。


こんな風に書いていくとこの句は淋しいだけのようですが

ネガティブなのはソードの10だけ。

残りの二枚はどちらかというとポジティブなカード。

特にペンタクルの3は最初の成功というカードです。

なので実際のところはこの車椅子生活を通じて

何かの手応えを掴んでいるんだろうなと思います。


車椅子が淋しいのは過去のことか

今もまだ淋しいのならそろそろ先が見えてきている状態。

たぶん車椅子が淋しい時代はもうすぐ終わると思います。

カップのクイーンの十三夜は慈愛に満ちた美しい光りです。

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