No.44_くゝ〳〵とつぐ古伊部の新酒かな_皿井旭川

魔術師、ソードの8、ペンタクルのナイト


私はビール党なので新酒はあんまり気にしたことないです。

ビールは俳句の世界では夏のものなんですけど

俳句で言うビールのスタイルは

たぶん「ラガー」だけなんだろうな。

たまに黒ビールの俳句があっても

シュヴァルツなんだろうなーとか。

ビールの句を読むときはそんなことを考えます。


新酒の句なのにうっかりビールの話したけど

カードをみていきますね。

一枚目、魔術師。

このカードだけ、大アルカナ。

すでに準備はできているという意味。

二枚目、ソードの8。

小アルカナです。身動きが取れないという意味。

三枚目、ペンタクルのナイト。

小アルカナのコートカード。

堅実な男性、ゆっくりだけど着実な成果という意味です。


なにかが始まるんだなと思いました。

新酒はその年の新米で最初に作られたお酒のことを言います。

なので「新酒」となった時点で出来上がってはいるのですが

魔術師を見る限りこれから何かが始まるのだと思います。


ペンタクルのナイトも出ていますので手堅く、堅実に準備をしてきた。

「くくくく」という音がその堅実さを表している感じがします。

「じゃばじゃば」とか「ぐいぐい」とかだと勢い余って溢れそうですし

「とくとく」は手練れ感があってナイトより熟練したイメージかな。


一方でソードの8は身動きが取れない、限界という意味。

他の二枚のカードとはちょっと矛盾するようなカードです。

ソードの8が何を意味するのかなぁとちょっと悩んだんですが

古伊部に入っている新酒のことなのかなと思いました。


古伊部というのは備前焼のことだそうです。

酒器は徳利の他に片口などもありますが

カードから想像するに徳利だと思います。

徳利は注ぎ口はごく小さい穴なので

口径の大きな片口より密閉感があって

閉じ込められている感じがソードの8っぽい。

そして、新酒はお米や麹、水などが一つの頂点を迎えたもの。

この頂点を限界と考えると辻褄が合うのかなと。


そうなるとこのカードから読み取れるストーリーは

新酒の冒険物語というようなことかなと思います。

新酒として一度完成したものが、注がれて、飲まれた時

その先は新酒ではない別の何かになって新しい物語が始まる。

物語というとちょっとロマンティクすぎるならば

新しい展開になるのだろうということです。

新酒という言葉には「新」という字が入っているからなのか

どことなく「スタート」とか「始まり」みたいな雰囲気もあるのかな。


ソードの8の足元に咲く小さな花が

魔術師のカードの満開の花に繋がってゆく。

自然の流れというか、繰り返す営みというか

そんなことが積み重なって新酒になるのかなぁ。

最後はちょっと自然リスペクト的なことを言ってみました。

虫は触れません。

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