No.56_まどごしに與へ去りたる螢かな_久保より江
カップの6、塔、星
ちょっと前から家に小さい守宮が居ます。
基本、守宮は守宮でかってにやってもらっているので
毎日顔を合わせるわけではないんですが、
どこかに守宮ちゃんがいると思うとなんか楽しいです。
カードを見ていきます。
大アルカナが2枚も出ていてちょっと派手な感じ。
一枚目、カップの6。
懐かしい気持ち。
二枚目、塔。
大きな衝撃、急な変化。
三枚目、星。
希望、可能性。
ハイクノミカタの中で「與」が「与へ(あたへ)」なのか
「輿(こし)」なのかという話がありました。
これ、私もどっちなのかなぁと考えてみたんですが
出てきたカードから考えて輿なのかなと思います。
より江の句がいつも「きっちり具象」なのかどうかは
今回が初より江の私には判断がつかないのですが、
塔のカードはかなり大きな衝撃や変化を暗示しますので、
輿という乗り物の事故と考えるられるのかもと思いました。
輿は人間を乗せて人力で持ち上げて運ぶ乗り物です。
それほどスピードが出るとは思えませんが、
それでも交差点などで衝突しないとも限りません。
天候が悪くて見通しが悪かったとかもあるでしょうし、
あまりに急いでいたとか、
街灯のない暗い道だったとか。
乱暴に交通事故に結びつけてみましたが、
もう少し幅広い解釈で予期せぬアクシデントと考えても
乗り物なら色々なことが起こりえるだろうなと思います。
正直に言うと、具体的にどんなアクシデントなのかはわかりません。
でも、乗り物に関するかなり大きなアクシデントとなると
生死にかかわるようなことの可能性もあります。
「あー、もうこのまま死んじゃうのかなー」
みたいな状況です。
そんな時に蛍がふわっとやってきた。
その光は星のように見えたのかもしれないし
ちょっとした希望みたいに思えたのかもしれません。
星というカードは確かに希望を表すのですが、
星だけにちょっと距離が遠いんですよね。
光は見えても手は届かない。
なので、星のカードが出てくる時は
好転の兆しはありつつも現状はまだまだ苦しい。
そういう時に割とよく出てくるなーという印象です。
同じように蛍の光も確かに美しいのですけど
蛍光灯の代わりになるわけでもないところが
星のカードが示す希望と少し似ている気がします。
さて、最後の一枚、カップの6。
これは郷愁、過去の出来事を懐かしむ気持ちのカードです。
人は死の間際に人生の走馬灯を見るとの説を聞いたことがあります。
死ぬのかもと思った時に目に映った景色を
きっちり写生した句なのかなと思いました。
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